茶道裏千家「百華の会」上級コースを通して講師を目指す方法を紹介

茶道の上級コースを受ける方には、講師を目指す人もいるでしょう。実際に講師になるには、それまでの道のりや、講師にできることを学んでください。上級コースの達成を果たすことも重要ですが、そのあとに自身が茶道を通して何をやりたいかを考えることも重要です。 今回は上級コースを受けていて、自身も茶道の指導をしたい方のため、講師の目指し方をまとめました。記事の後半では茶道の講師にできることも示しています。これを読めば茶道の指導者になる方法がわかるでしょう。

1.裏千家の茶道講師を目指すには資格が重要

まとめ

裏千家の茶道講師を目指すには、資格が重要です。許状と資格がセットになっているので、指導資格を手に入れるまでの道のりを確かめましょう。ここでは裏千家の講師を目指すうえで重要な資格を紹介します。

1-1.裏千家の資格とは

裏千家には資格制度があります。これは茶道における習熟度合いの証明で、裏千家特有の制度です。2000年に初伝や中伝から呼び名が変わり、講師や助教授などの表現になりました。これによって、履歴書に書けば伝わりやすいでしょう。 茶道の資格のレベルが違うと、弟子のためにできる許状申請の範囲が変わります。より高位な資格を持っていれば、弟子にはより上位の許状を与えられるしくみです。そうした意味でも裏千家における資格は、許状とともに重要といえます。

1-2.裏千家の許状との違い

裏千家には許状がありますが、資格制度とは異なります。許状はその時点より上位レベルの稽古を受けられるようになったという証明です。つまり稽古を受けることを許してもらったことを示します。 許状種目でいう入門から始まり、一段階ずつステップアップしていくしくみです。茶道は基本的に実技試験がありません。以上の関係から、一定のお点前ができなくても許状取得は可能です。 許状と資格は定義が違いますが、許状によって資格が異なります。最終的にはどこまで許状をもらえるかが重要です。

1-3.指導資格を初めて得るまでは3年以内が相場

指導資格を得るまで、3年以内が相場とされます。許状種目にして入門から始まり、小習(こならい)と茶箱点(ちゃばこだて)までの3つを得ると初級資格を得るしくみです。さらに茶通箱(さつうばこ)や和巾点(わきんだて)など5つの許状取得で中級資格となり、ここまで2~3年以内が望ましいといえます。 上級のうち引次(ひきつぎ)取得で上級資格とともに講師資格を得る形です。ここでは上級の稽古を始めてから3年以内が相場とされます。茶道教室に通う頻度や習熟度によって、指導資格を得るまでの期間は異なりますが、ひとつの目安として参考にしましょう。

2.裏千家における茶道の許状と資格について

裏千家では許状種目と資格が連動しています。各種目と資格の関係を表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

資格 許状種目 修道までの期間相場
初級 入門小習茶箱点  
中級 茶通箱(さつうばこ)唐物(からもの)台天目(だいてんもく)盆点(ぼんだて)和巾点(わきんだて) 2~3年以内
上級(助講師) 行之行台子(ぎょうのぎょうだいす)大円草(だいえんそう)引次 3年以内
講師 真之行台子(しんのぎょうだいす)大円真(だいえんしん)正引次(せいひきつぎ) 3年以内
専任講師 茶名・紋許 入門から7年程度
助教授 準教授 適時(25歳以上かつ茶名取得から2年以降)

3.茶道の指導者になることでできること

茶道の指導者としてできることを2つ挙げます。まずは茶道の弟子をとり、指導できることが大きいでしょう。さらに許状申請にも茶道の資格が関係します。それぞれの詳細をまとめました。

3-1.茶道の弟子をとれる

裏千家の茶道では、助講師の資格を得ると初めて弟子をとれるようになります。指導自体が可能になるという意味です。 許状種目で言うと上級資格に含まれる行之行台子、大円草、引次の3つを揃えるのが条件です。以上により自身も茶道教室を開けるようになります。 茶道の指導者として本格的に活動していくには、上級よりもさらに上を目指す必要があります。それでも指導ができる点で一区切りにはなるでしょう。講師としての道を開くにも、まずは引次の許状を得ることが大事です。

3-2.許状申請ができる

助講師以上の資格をもらうことで、自身が許状申請を進められます。講師や専任講師などランクを次々と上げることで、許状申請の範囲も広がるでしょう。 許状申請は弟子がより上位の稽古を受けられるようにするうえでも大切です。茶道の講師になることは、それだけ責任ある立場を意味します。 講師を務める以上は、弟子の位を上げるにふさわしいだけの指導力も重要です。茶道を習うだけでなく、どうすれば相手にわかりやすく伝わるかを考えましょう。それには指導者の動作や言葉を参考にしてみてください。指導者の立場を意識することも、上級コースでは重要です。

4.まとめ

まとめ

茶道の上級コースでは、講師を目指す方も見られます。ここで許状種目の引次を得ると、初めて弟子をとれるからです。茶道の指導者としての道を考えているなら、許状や資格制度を参考にキャリアを計画しましょう。 専任講師や準教授になると、許状申請の範囲も広くなります。茶道を通した将来の活動を考える意味でも、どこまで資格を取るかが重要です。 茶道裏千家「百華の会」上級コースでは、講師を目指す方も歓迎しております。許状の取得状況や習熟度をもとに、講師と相談のうえ上級コースを受けてください。本格的な茶道を極めたい方は、「百華の会」でお待ちしています。